【最近の朝の競り場風景。】
こんにちは。トピックス会員1号がお送りする、朝の競り場風景です。
今年はヤリイカの水揚げが多いです。値段も近年にない位安値で流通しております。
同じ「青森県産」で、左右似たような大きさのヤリイカが並んでおりますが…。
写真左側が日本海大戸瀬産の定置網で漁獲されたもの、写真右側が津軽海峡大間産昼釣りで
漁獲されたヤリイカです。
どちらも1月25日昼に漁獲されたもので、魚体もほとんど一緒で、素人目には同じ「ヤリイカ」ですが、
玄人目にはまるっきりの別物なのです。
大戸瀬産は産卵のために岸に寄って来たヤリイカで、メスは子を持っています。産卵のために大きな
ストレスが掛かりますから、刺身にした場合の身質は若干落ちます。だけど子の美味しさは食感を
差引いてもお釣りが来ます。
大間産は回遊途中で釣られたヤリイカで、身を太らせるために養分を使っているので、ストレスは
掛かっておらず、アオリイカの次に刺身にして美味しい身質を堪能出来ます。
大戸瀬産ヤリイカのアップ。 大間産ヤリイカのアップ。
大戸瀬産は煮付け用、大間産は刺身用と、明確に分けてお客様に提案する。それがプロの「目利き」です。
卸売市場の「役割」です。一般の消費者の方には見た目で判断するのは難しいと思います。
開いてみました。 大きいのはオス、小さいのがメスです。
開くと写真のように一目瞭然なのですが…私たちプロは「パッと見」で判断出来ます。
自然相手ですから「決まり」はありません。「去年はこうだったから今年もたぶんそうだと思います」は、
この世界ではタブーです。毎年違うんです。
実際に目で見て、それでも分からなければ、食べてみて末端にフィードバックするのが我々の仕事だと
思っています。
子がビッシリ詰まっています。
※弊社、明日は休場日です。