平成十八年 楠 多門丸

平成十八年 出陣

楠 多門丸

(くすのき たもんまる)

 南北朝時代の武将 楠正成(まさしげ)の長子 正行(まさつら)が多門丸と名のっていた幼少時代の逸話である。
 少年達がある夜、怪談話に興じていると、庭先に怪しげな炎がゆれていた。多門丸が斬りつけようとすると、奥庭に逃げ出し、一旦消え失せたが、今度は三つ目の大入道ら妖怪達が出現した。しかし多門丸はひるむことなく一刀の下に斬ってすてると、正体は六尺余り(一・八メートル位)の大きな古狸であったという。

 後に正行は、父正成の遺訓を守り、後醍醐(ごだいご)天皇に仕え、四条畷(しじょう なわて)の最後まで、弟正時とともに南朝方に忠誠を尽くしたのだった。

解説 竹浪 比呂央

○○賞 受賞

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