【本日は雑談です。】

おはようございます。

本日は3、4年前に茨城県のO漁港で釣りをしていた時の話です。

友人と二人で夜釣りに出掛け釣り糸を垂れていました。(実は私、あまり釣りをしません。)

釣果はサッパリで、朝になったら市場に行って魚を買おうかと相談するありさまでした。

(翌日、20人程でバーベキューをする約束をしておりまして、大物を釣ってくると息巻いていたのです。)

朝日が昇ろうかという時になって、やっとフッコ(スズキの2年魚)とイシモチ(スズキ目)を続けて釣り上げました。

フッコは全長が33センチぐらいありましたので、とりあえずバーベキューの時には面目躍如「めんぼくやくじょ」だなと考えていました。

明け方5時ころになると、遠くから次々に釣り人に話し掛けているおじいさんが目に入りました。

「そんなんじゃ釣れねーよ!」など、釣り人に軽くからんでいる様子でした。

私は面倒くさいなと考えていました。

もれなく、おじいさんは私達にも「釣れてるかい?」と聞いてきました。

友人が「フッコとイシモチぐらいですよ。」と答えると

おじいさんは「ああ?、この辺じゃそれぐらいしか釣れないよな。」

「もっと、東側に行けば、大物上がるよ。」とアドヴァイスを頂きました。

私が「東側行くとどんな大物が釣れるんですか?」と聞くと、

「そうさな?、イ・ル・カ・とかな。」と自慢げに話しました。

私は「イ!?イルカですか?」と聞くと「そうそう良く上がるんだよ、すげーヒキだぜ。」と益々自慢げなおじいさん。

「どれくらい頻繁に上がるんですか?イルカは」と私が半信半疑で聞くと

「そうね。10年か20年前は良く上がったね。」とおじいさん。

私は少し眩暈を起しながら、「じゃあ、今は上がらないんですね。」と聞くと

「今はあがんねーんじゃねぇか?だいいち、網じゃねーと捕れねーし。」とおじいさん。

私は心の中で、「オイオイ、さっきと話が違うじゃねーか、すげーヒキだっていってたし・・・。」

私は、取りあえず無視してやり過ごそうと思っていたのですが、友人は面白がって話を続けていました。

他愛も無い話を続け、15分程経った時に友人が私に「今から面白いこと質問するから聞いてろ」と私に小声で言いました。

「おじさんが、今まで釣った中で一番の大物は何ですか?」と友人が聞くと

おじいさんは間髪入れずに「ああ、オレ、釣ったことねーよ。釣りしねーもん。」

「ええーーーー!!なんじゃあそりゃーー。」今まで自分ごとのように語っていたのに・・・人間不信になりそう。

おじいさんはその質問に答えてからまた次のターゲット(釣り人)を探しながら歩いていきました。

私は友人に、「なんなの、有名なの、あのおじいさん。釣りしたことないの知ってるの?」と聞くと

「いや、知らない。でも、大抵どこで釣りしてても、ああやって話掛けてくる人は釣りしねーよ。」と友人は答えました。

「だって、釣りしにここまで、オレら来てんじゃん。他の人と話す為に来てるわけじゃねーもん。」と続けて友人は言いました。

私は納得し、「そうか、目的が違うのか。」と言うと友人は竿を見つめたまま、ウムと頷いていました。

少し大人になった日でした。