【今日は天気が良いので雑談です・・・深い意味なしです。】

おはようございます。

本日はわたしが昔出合った粋な人をご紹介します。

3年ほど前の初夏に埼玉県から都心に出る電車に乗っていた時の事。

その日のわたしは、何故だったか覚えていませんが、とても気分が良かった日でした。

当時、自宅があった駅から電車に乗り込み、数駅目で、白髪をキレイにまとめ上げ、(日本髪とでもいうのでしょうか?)お化粧は控えめで、背筋が伸びていて紫色の着物をビッシっと着こなし、

誰がみても素敵なおばあさんが乗ってきました。

思わず、かっこいいなと思ってしまった私でしたが、悩んでいました。席を譲るかどうかで・・・

というのは、この日から遡ること数日前に私は、他のおばあさんに席を譲ろうとして失敗していたからでした。

その日も気分が良く、(気分が悪かったら譲らないわけではありませんが・・・。)おばあさんが乗ってきたので、

席を立って「どうぞ」と言ったら、「私は老人ではありません。」と言われ、断られてしまったのです。

私が呆気にとられていると、サラリーマンのおじさんが、相撲で勝ち名乗りを受けたときのような手の動きをしながら、スイ?っと私が立った席に滑り込んで座ったのでした。

私は、ただおじさんの汚れた靴をみながら立ちすくみ、モヤモヤとした気持ちになっていました。

(回想シーンが長くなりました。)

そんな経験を数日前にしていたので、このかっこいいおばあさんにも断られたら、私は一生席を譲れない、

眠ったフリが得意なサラリーマンになってしまう。と考えていました。

そんなことを考えていたら、そのかっこいいおばあさんは、私が座っている席の前に立ったのです。

私のフェロモンが寄せ付けたのかは定かではありませんが、(その確率は無いです。)

言わなきゃいけないシチュエーションを向こうサイドが作ってきたので、よし言ってみようと思い、

立ち上がりながら「よろしければ、どうぞ」と言ってみました。

返答までの時間が嫌に長く感じました。

かっこいいおばあさんからの返答は、

「あらあら、ありがとうございます。」

といって私が立った席に座るのかと思ったら、座らないのです。

私は頭が????だらけになったときに、

そのかっこいいおばあさんは、席の正面に立ち、おもむろに草履を脱ぎだしたのです。

そして足袋姿になり、席に足を乗せスックと立ち上がり、静かに回れ右をしてから、

ポンと右手でひざの着物を払って正座し、草履を直して背筋良く座りなおしたのです。

とても、美しい姿でした。

私は、言葉の使い方が間違っているかも知れませんが、粋だなと思いました。

その粋なおばあさんは、終点まで電車の揺れに負けることなく正座をし続けていました。

終点で先に下りる私へ、にっこり笑いながら会釈をしていました。

私は、数日前のモヤモヤした出来事を少し前向きに考えられるようになっていました。